世の中はマッチングサービスで溢れている
2021年07月23日

はじめに
こんにちは、今日はマッチングサービスについての記事を書きます。マッチングというと、色々思い浮かべる人がいると思いますが、昨今、よくお客様からマッチングサービスの開発を相談されたり、私も仕事でマッチングサービスを利用することが多々あります。今日はマッチングサービスについて記事を書いてみました。
マッチングサービスの定番、男女の出会いをマッチング
マッチングサービスといえば、一番最初に思いつくのは、男女の出会いをマッチングする、いわゆるマッチングアプリではないでしょうか?
最近は、
など、様々な会社が実施しています。
ビジネスモデルとしては、ユーザーからの利用料金(男性のみの場合もあり)を収益とするモデルです。昔からある、出会い系アプリとの違いは、身分証をユーザーに登録してもらうことで、身元保証を実施することにあります。
私は、すでに既婚であり、こういったサービスを使ったことはないのですが、若くて独身であれば、使うと楽しいのだろうと思います。
男女の出会いは、常にニーズがあり、この手のサービスを立ち上げたいという方は結構いらっしゃる気がします。
技術的には、そんなに革新的なものは必要ないので、比較的手ごろにサービスを構築できそうな気がします。
ただ、インターネット異性紹介事業の届などの、法的な手続きや、身分証のチェックや、
不正利用対策など、運用面でのリスクや、競合他社も多いので、なかなか難しいように思われます。
余談ですが、私が大学生のころ(20年くらい前)は、”ご近所さんを探せ!”というサービスがありました。
私の記憶では、mixiができる前だったと思いますが、昔はSNSが、男女の出会いの機会創出に利用されていたのは否めないです。
私自身も、当時SNSで知り合った女性とお付き合いしていたこともあります。
あれから数十年たち、SNSは、出会い要素というよりは、
- リアルな知り合いとのメッセージアプリ(Line、WeChat)
- 自己表現、承認欲求を満たすアプリ(Instagram、Twitter)
- 作品の表現とマネタイズ(Youtube)
などが主流になってきて、mixiや、Facebook等の王道系のSNSは廃れてきているように思われます。その分出会い目的の人はよりそれに特化した、マッチングアプリを求めるようになってきたのではないでしょうか。SNSを開発する場合も、インターネット異性紹介事業の届が必要な場合がありますので、注意が必要です。
なお、マッチングアプリと一緒にすると怒られるかもしれませんが、似たようなサービスとしてパパ活アプリというものがあります。特殊な条件の男女の出会いをマッチングするサービスですが、コロナ禍の影響もあるのか、昨年の春から秋にかけて、パパ活アプリを作りたいという依頼は結構ありました。色々リスクがありそうだったので、一度も請け負うことはありませんでしたが。
仕事を発注したい人と、受注したい人をマッチング
次は、仕事を発注したい人と、受注したい人を結びつけるビジネスマッチングです。このビジネスを開始したいという方も今は多いのではないでしょうか?
特にコロナ禍の影響で、これまでやっていた事業の分野の知見を活かして、その事業分野に特化したビジネスマッチングサービスを事業再構築補助金を利用して行いたいという話はよく聞きます。
ビジネスマッチングも、色々な形態があります。
案件を依頼したい会社と受注したい会社をマッチング
案件の発注元と、受注先をマッチングする形態です。有名どころは、
などでしょうか。案件を受注したい開発会社が、月々の利用料金を払うのに加えて、マッチングが成立した場合、その受注金額から一定の割合の金額を運営に支払う形式です。
発注側の
- 一度に数社に見積もりを出して比較したい
- システム開発のおおよその金額が知りたい
などのニーズを満足するとともに
開発会社側にとっては、
- 営業活動なしに、多くの案件を紹介してもらえる
などの利点があり、利用している同業者の方も多いのではないでしょうか?
私も、このようなサービスを利用しており、何件が受注したことがあります。
このようなサービスを立ち上げることを考えると、
技術的には、あまり難しい要素はないように思われますが、発注元から案件の内容を聞き出す力や、いかに多くの案件を集めるかということが課題になるのではないでしょうか。
案件を紹介したい会社と、個人事業主をマッチング
対企業ではなく、フリーランス等の個人事業主をマッチングするサービスです。このサービスは、最近は、非常に多くの分野で様々なサービスがあります。
技術者、デザイナー、ライターなどの分野のフリーランスに案件を紹介する
- CrowdWorks(クラウドワークス)
- Lancers(ランサーズ)
などが有名です。案件の紹介だけでなく、個人事業主に必要な、税金などの手続きなどのサポートがあるところが多いです。私自身、利用したことはないのですが、基本的にフリーランス側の登録料は無料で、案件の紹介時に、手数料を徴収するシステムです。
最近は、介護や、医療の分野など、特定の分野に特化したマッチングサービスを立ち上げたいということはよく聞きます。
何か別の本業があり、そこで得られた知見を付加価値として提供できれば、結構うまくいくのではないでしょうか。
個人間の依頼をマッチング
この分野は、ここ数年で非常に増えた気がします。代表的なのは
などでしょうか(すべて厳密に個人と個人というわけではない)。副業で利用している方も多いと思います。
特定の分野にフォーカスし、その分野ならではの付加価値を提供することでサービスを差別化します。
マッチングサービスを開発する
最近は、便利なSaaSがたくさんあり、マッチングサービスの開発に必要な技術要素を簡単に取得できるようになっています。以下にマッチングサービスに必要な技術要素と、それを実現するSaaSを紹介します。
アカウント管理・認証機能
マッチングサービスには、依頼をしたい人と、受けたい人を管理するので、当然アカウントを管理し、その認証・認可機能の実装が必要です。当然自作することは可能ですが、今は、既存のサービスを利用したほうが、安全に、簡単に実現できます。候補としては、
- Auth0
- AWS Cognito
- Firebase Authentication
等でしょうか。私は、普段AWSを利用することが多いのでCognitoをよく利用します。
決済機能
金銭の授受に関する部分も、自分ですべて実装するのはリスクが大きいので、既存のサービスを利用するのがよいと思います。ポイントは、運営と、利用者の2者間での金銭のやり取りなのか、運営と、依頼元、依頼先の3者間の金銭のやり取りなのかで、実装方法が多少変わってきます。これらのサービスとしては、
がよく使われています。Stripeの場合、前述した2つのケースの決済機能が非常に簡単に実現できます。
インフラ
サービスを実施する環境は、今はAWSや、GCP、Azureを使用すれば非常に簡単に構築できます。特に、最近主流の、フロントエンドとバックエンドを分離して、それぞれ構築する手法の場合、非常に簡単に、スケーラビリティのある環境が構築できます。わたしは、AWSを使用することが多いです。
その他
他にも、会社間のビジネスモデルで、Salesforceと連携したり、ログの分析など、様々な機能をSaaSを利用することで実現することができます。
最後に
私も、いつか自分でマッチングサービスの事業を立ち上げてみたいと思い、ビジネスモデルを考えたり、実際に開発を行っています。個人でもこういったサービスを簡単に構築できるようになったのは非常に面白いですね。
自分の考えたビジネスモデルが、成功するかどうかはわかりませんが、せっかくこういう時代に生まれたので、これからも色々試してみたいとおもいます。